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2017年7月7日金曜日

絶望の精神史―体験した「明治百年」の悲惨と残酷(カッパ・ブックス) 金子 光晴 (著) 光文社















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貧しい空寺の番人で絶望の生涯を終えた金子光晴の実父。恋愛神聖論の後、自殺した北村透谷。才能の不足を嘆じて自分の指を断ち切り芸術への野心を捨てた友人の彫刻家。時代の奥の真裸の人間を凝視する明治生まれの詩人が近代100年の夢に挫折した日本人の原体験をたどり日本人であるがゆえの背負わされた宿命の根源を衝く。近代史の歪みを痛烈に批判する自伝的歴史エッセイ。

[目次]
目次
まえがき / 3
「1」 絶望の風土・日本-東洋の孤島が培ったもの / 11
1 絶望とは、何か / 13
2 逃げ出せない日本 / 20
3 水蒸気の多い心象 / 28
「2」 ひげの時代の悲劇-明治の父と子の相克 / 35
1 ひげのある人生 / 37
2 ひねくれ者と孤独者 / 49
3 明治の青年を苦しめたもの / 62
「3」 ヨーロッパのなかの日本人-大正知識人の希望と幻滅 / 89
1 ご真影 / 91
2 エトランゼのゆくえ / 103
3 くずれゆくもの / 123
「4」 焦燥する<東洋鬼>-昭和前期の良心は痛む / 153
1 中国のなかの日本人 / 155
2 良心は、とても承服しない / 178
「5」 またしても古きものが-太平ムードのなかの亡霊 / 189